最近ではあまりやっている人を見かけない気がするプロペラターンですが、スキーのための大事なエッセンスが詰まっています。ここでは、プロペラターンとは何か、どういうときに使うのか、やり方のコツについて解説します。
プロペラターンとは
簡単に言えば、真上にジャンプして左右に向きを変える動作を、素早く連続して行うターンです。左右に向いた板の角度が180度近くになりますが、素早く連続させることで、まるでプロペラが回っているように見えるというものです。
プロペラターンをする目的
向きを変えるのでターンという名が付いていますが、滑っているときに使うテクニックというわけではなく、以下の目的のために、斜面等で静止した状態から始めます。
ポジションの確認
プロペラターンを行う目的の一つは、滑るために必要なポジションの確認です。
コブなどでのスキー操作は、スキーを股関節の真下、すなわち重心から離さないで行う必要がありますが、プロペラターンができているということは、言い換えるとスキーが重心の真下にあることを意味しています。
スキーが重心から外れてしまっていると、真上に飛ぶことができず、素早く連続してターンを繰り返すことができないからです。上級者であっても時折プロペラターンを行うことで、ポジションが合っているか確認しています(多分)。
ねじれを覚える
コブはもちろんのこと、ショートターンで必要となるのが、上半身と下半身のねじれです。
大回りと違ってターン弧が小さい場合、上半身と下半身の向きが同じだと、次のターンに素早くつなげることができないのです。
上半身と下半身にねじれがあることで、ねじれが戻る力を使って次のターンに入ることができます。
実際には、上半身がフォールラインを向き続ける中で下半身だけが向きを変化させていくことになります。
プロペラターンを行うことで上半身と下半身とを大きく捻ることになるため、ショートターンに不慣れな方でもねじれを覚えることができるのです。
プロペラターンのやり方
プロペラターンの目的を理解したところで、さっそく挑戦してみましょう。初めのうちは平地でも構いませんが、慣れてきたら斜面で行います。
静止した状態から真上に飛び上がり、その間にスキーを左右一方に振ります。次に振る側のストックを突いて再度真上に飛びあがり、もう一方の側にスキーを振ります。この繰り返しです。初めは素早い動作よりも、ゆっくり確実なスイングを心がけましょう。
斜面でプロペラターンし始めると、スキーをフラットにした状態であれば、わずかずつですが斜面を下ることになります。ここでエッジを使うことでずり下がりを防ぐことができ、逆に斜面を登ることもできるようになります。
プロペラターンのメリット
プロペラターンをできるようになることで、コブでのバランスが良くなります。また、ショートターンが苦手な方でもねじれを作ることができ、上達に役立ちます。
さらに、プロペラターンができるようになれば、静止したその場で向きを変えることもできるので、キックターンが要らなくなります。
まとめ
- プロペラターンには、スキーの大事な要素が詰まっています
- メリット1 前後左右のポジションが良くなります
- メリット2 上半身と下半身のねじれが作れ、ショートターンに役立ちます
- メリット3 プロペラターンができれば、急斜面でも一瞬で方向転換できます
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