スキーが初めての小さい子供がみるみる上達する教え方とは?

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 スキーは単に冬のスポーツというだけでなく、自然と親しむことができるレジャーでもあり、澄んだ空気の中で心身をリフレッシュさせる癒しの効果もあります。そんなスキーを子供にやらせたい、あるいは自分も経験したスキーの楽しさを子供にも伝えたいという方も多いのではないでしょうか。ここでは、子供と一緒に楽しみながらスキーを教える方法をご紹介します。

スキーブーツで歩く

 スキーに慣れることは用具に慣れることですが、まずはスキーブーツに慣れてもらう必要があります。バックルが締まって足首が固定されると、とりわけ階段などの歩行が困難になるので、移動するときはバックルをはずしておきましょう。子供用にスキーブーツがある方はあらかじめ家で練習しておくこともできますね。

スキーで歩く

 スキーブーツの感覚に慣れてきたら、次はスキーで歩きましょう。スキー板の装着には、ビンディングのトゥピース(つま先部分)にブーツのつま先を入れた後カカトに体重を乗せて固定しますが、はじめはうまくできないので、その場合はカカトを手で押してあげるかビンディングのヒールピース(カカト部分)を持ち上げてあげます。

 スキーで歩くには、片足のエッジで後ろに下がらないよう足場を作り、もう片足を斜め前に踏み出して滑る技術(スケーティング)が必要ですが、取り組むのはもう少し先にして、まずは片足だけスキーを履いて歩かせます。

 両足の場合と違い、スキーを履いていない方の足のおかげで確実に前に進めますし、スキー板に乗って滑る感覚を覚えてもらうことができます。まずは平地や緩斜面を横切るようにして、真っすぐ前に進ませます。はじめはスキーを履いた足で立っている時間が短くても、徐々にスキーに乗れる時間が延びていくことでしょう。強く蹴り出してもスキーが停止するまで反対の足を地面につけずに滑れたら合格です。頃合いを見計らって、反対の足でも行います。人それぞれ利き足というものがあるので、左右で上達の差が出てきても気にする必要はありません。
スキーが停止するまで乗り込む感覚がつかめれば、スキーを交互に斜め前に出して乗り込むスケーティング動作の習得にも役立ちます。

真っすぐ滑る

 子供の練習のコツは楽しませることに尽きますので、上記のような地道なドリルは長く続けず、本題の滑ることに進みましょう。

 何といっても初めてですので、極力緩やかな場所を選んでください。距離はひとまず10~20mもあれば十分ですので、適当なところからスタートします。スピードコントロールしやすいハの字が基本ですが、自然に止まれるような場所であれば、ニの字のパラレルスタンスでも構いません。斜面を滑り降りるという感覚がどういうものか、ちょっとずつでも経験してもらいましょう。転ばずに止まれたら、褒めてあげることもお忘れなく。

 特に幼児であれば、カニ歩きで斜面を歩かせて登るよりは、平地であれば板を履かせたまま手やストックを引き、斜面では後ろからお尻を押して登らせた方が喜んでくれますし、ゆっくりしたスピードで滑る感覚を味わうことができて一石二鳥です。ただし、親は結構疲れます(笑)。

転んだ後の立ち方

 ターンの内足に体重を乗せてしまったとき、思ったよりスピードが出てコントロールできなくなったときなどに転んでしまうわけですが、子供はすぐストックを突いて立とうとします。でも、バランスが取れていないと立つのは困難なのです。転んでから立つまでに順序がありますので、しっかり覚えてもらいましょう。

スキーを揃える

 転んだ体勢から上体を起こしますが、お尻を雪面から上げずに両足のスキーを揃えます。お尻の横に両足があればスキーを揃えるのは簡単ですが、両足の間にお尻があるような転び方だと、お尻を上げようとした途端滑り出します。そんなときは、一度横に寝そべって両方のスキーを揃えさせるか、板の短い幼児なら両足を上げさせて揃えても良いでしょう。

スキーを斜面に対して横にする

 スキーが揃ったら、今度はスキーを斜面に対して真横に向けます。このときまだお尻は上げずにいてください。体を斜面方向、つまり傾斜が一番きつい方に向ければ、スキー板は自然と横に向きます。

お尻をブーツの上に持ってくる

 スキーを斜面の真横に向けて並べたら、次はお尻をブーツの上に持ってきます。ストックを持っていればそこではじめて突いて立たせますが、なくてもお尻をブーツの上に持ってくる意識があれば簡単に立てます。

 立った状態を作るには、重心の真下に足がなければいけませんが、転んで体勢を作らずにストックを突いて立とうとしても、重心あるいは足の位置が本来あるべき場所に収まりません。それが転んですぐに立てない理由なのです。日常生活であれば転んだ後に足の方を重心であるお尻の下に持ってくることができますが、スキーを履いていては困難なのでお尻の方を動かすというわけです。

リフトの乗り方

 まっすぐ滑ることに慣れてきたら、いよいよリフトに乗りましょう。親と一緒で構いませんが、リフトの係員に「初心者です」と伝えるとリフトのスピードを落としてもらえます。親が手を引けなければ、係員に乗せてもらいましょう。乗車中は転落防止のバーを下げることもお忘れなく。また、リフトから手袋やストックを落とすことは初心者あるあるなので、何か道具を外すときは親が持ってあげてください。

 終点に近づいたら、板の先端が雪面に刺さったりしないよう両足を上げさせます。着地したら早目に立ち上がり、リフトに押されながらまっすぐ滑り降りましょう。自然に止まるまで曲がる必要はありませんが、勢いが足りなければ手を引いてあげましょう。

一緒に滑る

 リフトに乗れるようになれば、長い距離を滑ることができますので、飛躍的に上達します。斜度がなだらかで幅の広いコースを選んであげたいですね。ここで親が逆ハの字で子供の前を滑ることができれば、一体感をもって滑れること請け合いです。初心者の子供が滑る程度のスピードであれば、さほど難しくなく覚えることができます。時折チラッと振り返りつつ、安全を確認しながら滑りましょう。

斜度があるときは

 子供の今のレベルではちょっと難しいかな、というような斜面であれば、逆ハの字で目いっぱいスピードコントロールしながら、子供に突き出させた両手を持って滑ります。手以外は触れないように、腕を突っ張らせてください。親が後ろから抱っこするやり方よりも、自分でバランスをとりながら滑りをコントロールすることにつながります。

急斜面では

 また、やむを得ず急な斜面を通るときは、とにかくコースを広く使いながら斜度の緩い方へ斜滑降しましょう。ゲレンデの端まできたら、お尻をついて、場合によっては背中をつけて両足を持ち上げて方向転換させ、再びゲレンデの反対側まで斜度の緩い方を選んで滑りだします。ジグザグなコースどりで、急斜面を緩斜面に変えてしまいましょう。斜面の真下は急なので見ないようにして、とにかく進行方向となるコース脇の方へ目を向けさせましょう。

おわりに

 子供にスキーを教えることをテーマに書きましたが、一番大事なのは子供に楽しんでもらうことで、そのためには親自身も楽しむことです。
 スキーに限らず子供のスキル獲得能力は大人とは桁違いの早さです。しかし、言葉で言ってすぐできるものでもないので、できないうちはじっくりと付き合い、失敗を繰り返すうちに変化が見られれば、大いにほめてあげましょう。子供が喜ぶ姿は大人も喜ばせてくれます。
 幼い我が子と一緒に自然の中で楽しく触れ合うひととき、振り返ると本当に貴重な時間だったと思えるはずです。

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