コブ斜面の滑りに挑戦している方、特にモーグル志向の方であれば、一度は耳にしているであろうキーワードが、「ポーパスターン」または「ニューライン」と呼ばれるテクニック。一体どのへんが新しいのか、詳しく解説します。
ポーパスターンとニューライン
通常コブを滑る場合には、下図の赤線のようにコブの溝に沿ってターンしていくことになります。
ポーパスターンで滑ったラインがポーパスラインとかニューラインなどと呼ばれますが、下図の青線がポーパスターンによるニューラインです。
2つのラインを正弦波に見立てたとき、両方の線の矢印周辺を見てもらえば、位相が異なっていることが見て取れると思います。青線の方が1/4周期遅れていることになります。
この、位相を遅らせたラインの滑りがポーパスターン、と言っても分かりにくいですね。ラインはあくまで滑った結果なので、特徴をなすのはやはりその滑りです。
通常のターンとの違い
溝に沿ったターンの場合、どうしても横方向への移動が大きくなるため、滑っている人を下から見上げると、板が横になりテールが出ているのが見えます。スライドターンだと尚更ですね。
これに対しポーパスターンでは、ラインがタイトで横移動が少ないためテールが見えにくく、縦に縦に滑り降りてくることになります。
また、コブのふくらみに対しスキーのトップから進入することになるので、コブで跳ねやすくなります。
この、飛び跳ねる動きからポーパスターンという名がついたようです。
ちなみにポーパス(porpoise)というのはネズミイルカ科の総称なんだそうです。イルカと言えばドルフィンだと思っていましたが、ドルフィンターンはすでにあるから別の種類のイルカにしたんですかね?
ポーパスターンのメリットは
ポーパスターンのメリットはいくつかありますが、まずはスキーのトップからコブのふくらみに突っ込むことで得られる減速要素、それから自分でターンを仕上げる意識がなくても勝手にターンになってしまうため、ターンを考えなくて良いこと、そして一番は、縦に滑るためアグレッシブに攻めてるように見えるところではないでしょうか。
逆にデメリットですが、コブに正面から進入することになるので、はじめは勇気が必要だと思います。試してみるならば、緩斜面から取り組む必要があります。
まとめ
- ポーパスターンとは、スキーのトップからコブに突っ込むことで跳ねる動きのターンのこと
- ポーパスターンで滑ったラインがポーパスターンまたはニューライン
- メリットは減速要素、ターンしやすさ、攻めているように見られること
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