【キックターン】初心者が急斜面やコブ斜面でマスターすべき唯一のターン

　スキー初心者だというのに、大丈夫だからとそそのかされて山頂まで連れていかれ、急斜面やコブ斜面を転がりながら泣く泣く半日かけて降りてきた、なんて経験はありませんか？

　ここでは、どんなコースに連れていかれても、これさえ覚えれば何とかなるという方法・キックターンについてお伝えします。

急斜面やコブ斜面に連れていかれたら

　ろくすっぽ曲がれもしないのに、連れに促されて気づいたらゴンドラで山頂へ到着なんてことはよくある話です。初心者コースが山麓まで続いているなんてことはそうはなく、大抵急な、下手をすればコブ斜面を通るはめになります。

　こうした場合、どうすればいいのか。覚悟を決めないことには家にも帰れませんが、決めたところで曲がれるようになるわけでもありません。

　ですが、下まで降りる方法はあります。まず、真下など見てはいけません。見て良いのは、あくまでも横方向です。その上で、ゲレンデの幅いっぱいを使って横へ横へと移動します。ここで向きを変えることができれば、今度はゲレンデ反対側の端まで移動することができます。これを繰り返せば、どんなコースでも降りてくることができるのです。

　この、向きを変えるための方法がキックターンです。

キックターンとは

　ターンという名前がついているので滑っているときに使うのかと思いきや、静止状態で使う方向転換の技術です。片足を蹴り出すようにして向きを変える（ターン）ため、この名がついていると思われます。

　方向転換さえうまくできれば、あとはゲレンデを端から端まで横移動するだけです。

キックターンのやり方

　では、キックターンはどのようにすればよいのでしょうか。どんな斜面でもできるように、まずは平らな斜面で練習してみましょう。

谷側のスキーを立てる

　斜面に対して横向きになった状態から、斜面の下側（谷側）のスキーを前方に出して、スキーのテールを雪面に突き刺すようにして立てます。

　ただし、スキーを深く突き刺してしまうと、この後の向きを変える動作に支障を来すので、強すぎないように加減しましょう。

　また、スキーがうまく立たず、先端が斜め上を指すようだと向きを変えるのが困難になります。スキーが垂直を向くようにしっかり足を蹴り出しましょう。

谷側スキーの向きを変える

　立てたスキーの先端を、反対方向に倒して向きを変えます。キックターンの動作で一番難しい部分です。

　このとき、スキーが互い違いの方向を向くことになりますが、バランスを崩して転ばないよう気を付けましょう。

山側スキーの向きを変える

　最後に、山側スキーを持ち上げて反対方向に向けます。これで一連の動作が完了します。左右どちら側が谷足になってもキックターンできるように練習しましょう。

まとめ

• キックターンをしっかり習得すれば、急斜面やコブ斜面も怖くありません
• キックターンの成否は、足の蹴り出しにかかっています。スキーが真上を向くようにしっかり足を出してください。