コブ初心者なら身につけておきたい3つのテクニック

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 整地なら30度超えのコースでも滑ることができるけどコブだとまるで別人のように滑れなくなる、あるいは簡単なコースの脇にあるコブのラインに入った途端数コブでコースアウト、なんてことはありませんか。

 ここでは、これからコブにチャレンジする方向けに、まず何から始めればよいのか練習方法をご紹介します。

コブが滑れない一番の理由

 同じ斜度でも整地が滑れてコブでは滑れないのは、コブのために斜度が大きく変化するためです。一つのコブで考えると、コブを登る部分では斜面の平均斜度よりなだらかになりますが、コブの頂点を過ぎると一気に平均斜度より急な斜面に変わります。この斜度変化が一コブごとに起きることで、上体があおられて重心が板から遅れ転倒やコースアウトとなってしまうのです。

重心が遅れないために

 上体があおられて重心がスキーより遅れてしまうことがコブで破綻する理由ですが、では重心が遅れないようにするためにどうすればよいのか。

 まずは、一コブごとに起きる斜度変化に慣れる必要があります。急に斜度が落ち込んでも上体・重心がついていけるようにするのです。

 方法としては、一面コブのバーンがあれば効率が良いですが、なければコブのラインをまたぐ形でも構いません。コースを斜滑降(トラバース)していきます。これによりコブの出現間隔が広がるので、コブの斜度変化に備えることができます。コブのどこを通るかは任意ですので、いろいろな凹凸を通ってみてください。

 ポイントは、斜面の落ち込みでスキーだけが先に行ってしまわないよう注意することです。スネでブーツのタンを押した状態、いわゆる前圧をかけた状態がキープできていれば問題ないでしょう。

 このドリルを繰り返し行うことで、まずはコブに慣れてください。

コブでの滑り方・・の前に

 コブコースを斜滑降してもブーツへの前圧が保てるようになったら、次はコブでの滑り方について、と言いたいところですが、その前に確実に覚えておきたいことがあります。それは、

 安全に止まれること

です。安全に止まれることで、安心してコブでの滑りを楽しみ学ぶことができるのです。安全に止まることができないままコブに突っ込むのは、ブレーキの利かない車で走り出すようなものです。

 止まる技術はコブでのスピードコントロールにもつながりますので、是非最初に覚えてほしいところです。

横滑り

 止まる技術習得のため、まずは横滑りからの制動練習をします。「何をいまさら」という方も多いかと思いますが、やってみると奥深いものです。

 斜面はどこでも良いですが、緩斜面よりも適度に斜度があった方が簡単に滑ることができます。停止した状態で板はフォールラインに対して横を向いていますが、ここからエッジを緩めてズリズリと滑っていきます。エッジは立てて使うものですが、発想を変えて「エッジを寝せること」に専念するのです。

 また、実際にコブを滑るときと同様、上体はフォールラインを向くようにしてください。そうすると足に前後差が生じますが、板が真っすぐ揃っていればOKです。

 左右どちらの足が谷側でもフォールラインに真っすぐ横滑りすることができるようになったら、今度は進行方向の右側に目標物を決めて横滑りで近づいてください。進行方向左側も同様に練習します。これにより、コブの中でも横滑りを使いながら目指す方向へ進むことができます。

スライドターン

 コブ初心者が目指すべき目標がこのターンです。右足が谷側の横滑り(左ターン)から左足が谷側の横滑り(右ターン)へというように、横滑りを連続させてターンにします。

 ここでのポイントは、ターンを繰り返しても両足の位置がフォールラインからほぼ外れず真っすぐになっていることです。

 ターンの切り替えで、シュテムターンのように右から左へと足を「よっこらしょ」とばかりに踏み替えるスペースも時間も、コブの中にはありません。スイッチのようにパチンと左右入れ替えるイメージです。ピボットターンと呼ばれます。このとき、母指球ではなくカカトを支点とした方が今後の技術習得に役立ちます。

 このターンができれば、コブの中でのスピードコントロールができるため、数コブではじかれていたのが破綻しなくなり、気持ちにも余裕が生まれます

 ここまでがコブ斜面に入るための導入編です。このスライドターンをもとに、実際にコブ斜面で滑る方法は、こちらでご紹介します。

これさえできればコブを降りて来れる!コブ初心者のための滑り方
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